知るともっと着物選びが楽しくなる!着物の柄について その1

みなさんは着物を選ぶとき、どんなことに注目しますか?

色、柄、生地の手触り、全体の雰囲気、たくさんあると思いますが、今回はその中から着物のについて見ていきたいと思います。

着物にあるすべての柄や文様には名前があって、それぞれ意味が込められていることはご存知でしたか?

着物選びに迷った時、柄や文様のもつ意味を知っていれば、そこが決まり手になることもあるのではないでしょうか。


私たちは、普段いろんなシチュエーションや気分で洋服を選びます。

お友達の結婚式にはドレスを、就職の面接にはスーツを、彼氏とのデートにはワンピースをといった具合に、いつもより気合いを入れた格好をする時もあれば、ジーンズにT−シャツといった普段着の時もあります。

今日一日をどんな服装で過ごそうかと朝鏡の前で考えることは、特に若い女性にとっては毎朝の必須項目なのではないでしょうか。

そして若い女性がファッションにこだわるのは昔も変わりません。

江戸時代には『衣装雛形』(ひいながた)という小袖(着物)の模様のカタログ本(今でいうファッション雑誌ですね)が女性達の間で流行していたことからもそれはうかがい知ることができます。

では、洋服がなかった時代の人たちは、どういう風に着るものを選んでいたのでしょうか。

かたちで差をつけられない着物において、自分の好みを出していくには、生地や色もそうですが、どんな柄が描かれているかというところは、ファッションに敏感な若い女性達にとっては注目するところです。

着物の柄や文様には、中国から伝わった古い文様や、昔から親しまれてきた伝統的なモチーフに加え、いろんな花や動物、乗りものや装具や、なんと物語のひと場面まで着物の柄としてデザインされてきました。

最近では洋花をモチーフにした柄も多く見られますね。

そしてそのすべてに名前と意味があるのです。

柄や文様の意味を知ったうえで着物をあらためて見てみると、きっと今日の自分にとってぴったりの一枚がみつかるはずです。

季節をあらわす柄や文様で季節をさきどり

着物の柄や文様には今も昔も流行のものがありますし、季節をあらわすモチーフを使った柄を選んで、季節の先取りをしてファッションを楽しむのは着物でも同じです。

例えば桜の散る頃になったら五月に花をつける藤の柄の着物を着たり、夏には秋の七草である萩をモチーフにした柄の着物を選ぶといった具合です。

着物を通してもうすぐやってくる季節に想いを馳せると、しっとりとした気持ちになってくるとは思いませんか。

こんな風に着物の柄を意識することで、草花をみて季節を感じるように季節を意識することができます。

これも着物の魅力のひとつですね。

では実際に、どういった柄やモチーフがあって、どんな意味が込められているのかを見ていきましょう。

春・冬(12月〜5月)

桜は日本を象徴する花なので、一年を通して着られる柄とも言われていますが、この写真のように枝や葉も柄として描かれている着物は、実際の桜の時期を意識して着るのが良いでしょう。

桜の花が満開の時期に着るのは少々野暮なので、年明けからつぼみの時期か三分咲きくらいまでの時期に着るのが粋でいいですね。

花びらだけの柄や、他の季節の花と一緒にデザインされている場合は、一年中いつ着ても大丈夫です。

桜に込められた意味は、桜が田の神様の宿る場所とされていたことから、五穀豊穣を表すおめでたい文様(吉祥文様=おめでたいしるし/縁起のいいデザイン)とされています。

その言葉の音から「梅」=「産め」となって安産祈願の意味のあるモチーフです。

まだ寒さの厳しい冬に香り高い花を咲かせることから、「忍耐強さ」「高潔」「上品」といった意味が込められています。

梅柄といえば可愛らしい印象になりますが、実は「強い美しさ」をあらわしているのは以外かもしれません。

「松竹梅」といわれるように「松」「竹」とならんでおめでたい柄とされているので、お正月の晴れ着や成人式にこの梅の柄を選ぶ方も多いでしょう。

こちらも桜と同じように一年を通して着ても良いとされていますが、年明けのお正月の頃がおすすめです。

牡丹

振り袖の柄でよく見るのがこの牡丹の柄です。

「百花の王」と呼ばれるだけあって、その華やかさと存在感は他にはなかなかありません。

「幸福」「高貴」「「壮麗」という意味が込められているのにはうなずけますね。

牡丹には春に咲く春牡丹と冬に咲く冬牡丹があります。

他の草花と一緒に描かれている柄ですと一年中着ても大丈夫ですが、牡丹だけの柄の着物や牡丹の柄で季節感が出ているデザインの着物は冬から春にかけて着るのがよいでしょう。

他の花と合わせてデザインされることが多い松文様。

松は冬も葉が青々としていてその姿が変わることがありません。

そして千年の寿命があるといいます。

その姿から長寿祈願の思いを込めたモチーフとして古くから親しまれてきました。

「梅」「竹」とともに「松竹梅」としておめでたい吉祥文様の代表格です。

「松」といっても様々な文様があって、「若松」は新鮮さや若々しいといった意味がありますし、「松葉」は落ちても離れない二枚の葉の特性から、永遠の愛をあらわしているなど、松をモチーフにした柄でもそれぞれ少しずつ意味が違っているのが面白いですね。

一年中着られる柄ではありますが、その意味合いからお正月や早春に着られることが多いです。

夏・秋(6月〜11月)

楓はそのカタチが蛙の手に似ていることから「カエルテ」→「カエデ」と名前がついたと言われています。

込められている意味は不老長寿です。

季節ごとに色を変えることから、世渡りが上手という意味も込められています。

桜と一緒に描かれている場合は「桜楓(おうふう)文様」といって一年を通して着られる春秋模様になります。